$Id: index.html,v 1.12 1998/01/20 08:58:52 itojun Exp $写真なし。
なんか、いろいろなファイルやwebpageたちが移動しているのを見てお気づきな 方もいらっしゃるかと思いますが、 私こと伊藤いとぢゅん純一郎は、本日づけで 某社を退職し、とりあえずのところ流しの研究者/プログラマとして 暮らすことにいたしました。
さて。 4年くらい前、某社にタダ働きに行きはじめたころは、 某社はさすが謎の秘密組織だけあって(笑)、 比較的自分の理想とおかねをもらうための「仕事」のすりあわせが うまくいきそうなところでした。 自分の理想を追いつつそれがなんとなく仕事になって、お給料がもらえる、 おおなんと素晴らしい、とか思ったりしたわけです。 で、なんか知らないうちにバイトになったり、 いろいろななりゆきで正社員になったりとかしてしまったわけです。
でも。 多分、去年の夏くらいか、あるいは今年に入ってからだと思います。 自分の理想と仕事が、いきなり正反対のベクトルを向いてしまいました。 自分の理想は前々から変わっていないんだけれども、 会社側がソフトウェア特許に対する態度をかなり厳しくしてきました (これには今年4月のbig surpriseとか、 わたしの謎の2足のわらじ状態とかも深く関係しているように思いますが、 まあそのへんはおいておきましょうかね)。
ソフトウェア特許って、なんでしょう? ソフトウェアの特許です(そのままやないけ)。 ついこないだまで、「アルゴリズムや数式は特許にならない」とされていたのですが、 最近(とはいえもう何年か経っている)、USの特許事務所がこれを曲げて、 とにかく無節操にアルゴリズムやら数式も patentableなものとして認めているようです。 これは日本の商売に対して米国がinitiativeを とりたーい(日米貿易不均衡対策)ということから、 特許事務所が許可を(恣意的に)緩めているものと推察されます。 日本の役所は通常米国の外圧に従うことしかしないので (註: たまにはいい法案/施策もありますよ、もちろん)、 日本の特許庁も なにも考えずにソフトウェア特許を通しています。 ばかめ。
で、なにが特許になるわけ? ということですが、例えばこんなのが特許になってます。
以上のようなふざけた特許が成立しちゃうことからわかるように、 ソフトウェア特許には、以下のような困ったちゃんな側面があるわけです:
まあ、これが自分に無関係ならいいのだけれど、
「ソフトウェア特許を書け書け」と言われると、こりゃ話が別なわけです。
なんでソフトウェア特許を書くことが自分の理想に激しく反するか、というと。
ソフトウェア特許を書くということは、他のプログラマの
「プログラムを書く権利」を阻害するわけです。
例えば、今日から「恋」という字はAさんしか書いちゃいけないんだもんね、
とかいう宣言をされたら、他の小説家はどうすりゃいいんでしょう?
(
筒井康隆「残像に口紅を」は読みましたかみなさん)
今日からビリジアンブルーはBさんしか使っちゃいけないんだもんね、
という宣言をされたら、他の画家はどうしますか?
ビリジアンブルーを占有することになったBさんは他の画家から尊敬されることは
できるでしょうか?
少なくとも、わたしはBさんを尊敬することはできないです。
某社では(他社も同様だと思いますが)特許の申請書を書くと、
特許が通ろうがとおるまいが、奨励金がちょっとでます。
でも、こういうのはおかねの問題じゃないねん
(お金もらったら援助交際するか、ってのと似てるかな?)。
絶対通らないような申請書を100万枚書いて奨励金をがっぽがっぽ頂く才能が
あればよかったのですが:-)そんなのは単なる時間の無駄ですね。
一番恐いのは、提出した特許の申請書がそのあとどう使われるのか
なにも言えないことですな。
「みんなで楽しくhackがしたい」のがわたしの理想です。
で、某社の最近の動きかたは、どうみても理想に反します。
ということなんで、わたしは流しに戻りました。
わたしは「他人に洗脳されてはいけない」ってmindsetでずっと生きてきたし、
これからもそのつもりです。
自分以外の評価基準で動くから太平洋戦争が起きるんやと耳タコになるほど
有形無形に教えられてきたですし、
わたしは自分の理想に反することは、可能な限りしたくないです。
赤紙が来たらなにがなんでも醤油飲みます(笑)。
ただ、「仕事」ってくらいなので、自分の理想にあわないことも、
たまにはしないといけないかもしんないですよね。
でも、流しだったら、まあ自分の曲げられるところと曲げられないところの
区別は自分でつけられる。
例えば、「Windowsな仕事をする」か、
「software patentを書かないといけない仕事をする」か、
「今月は塩ごはんで我慢」のどれをとるかは僕の
裁量にまかされるわけですな。
まあ、この3者なら最後をとるかな(笑)。
「君の考えは子どもだ」とか、言われそうだなってことは100も承知しています。
でも、若いときに元気にコード書かずにいつ書くんですか?
おじさん仕事にまみれてからじゃ遅いんです。
おじさん仕事にまみれないための努力ももちろんしないといけないのだけども。
さいわいにも守るべき妻子はいないし、まあ好きな本が気軽に買える程度の
収入があれば困らないと思うので。
自分の信じてないことを無理してやるとふしあわせになる、ってのは
ここ数年切に感じているので、ちょっとくらい無茶でも信じているとおりに
動いてみようと、思ったわけです。
ちょっとずれるけど余談: 「結婚してないと責任能力が認められないから 係長/課長/部長になれない」みたいな日本のtraditional会社的判断って、 よーするに「結婚してたら無茶はできないから、理不尽なことでも 会社の言うことを黙って聞くだろう」のすりかえだと思いません?
そういうわけで、試しに流しに戻ってみることに、しました。
理想と仕事がうまくすりあわせられる職場があったらそこに
参加させていただくことはやぶさかではありませんけど、ね。
あるいは歳とってくたびれたじじいになったら、考え方が変わるかもしれない
(変わりたくはないけど、時間の流れは全てに勝るので)。
とりあえず短期的には、
めんどくさい法務部的制約が減って、そのぶん収入がどかんと減って(笑)、
そのぶんhack/研究する元気は増進するのではないかと思っています
(hackばっかり元気になる気は、まあするが、とりあえずそれは別issue)。
とりあえず実際に日常行うことは1bitもかわらないと思います。
よーするにHiNoteちゃんと添い寝しながらhackする、というだけです(笑)。
「No hack no life」を合言葉に、みなさんをしあわせにするhackをしていきたいと
思っていますので、今後ともぜひよろしくお願いいたします。
あ、一応3月まで学籍は、あります。 というわけで、一般社会的立場はこんなかんじ なのかいな。
というわけで流しってくらいなので、なにかぐっとくる仕事があったら 誘ってください。 Berkeley copyrightまたはGPLな仕事なら最良です。 そうでなくても、汎用的な部分をどかんどかんreleaseしてもいい、 って言ってくださるならお安くしときますぜ旦那。 その場合、命がけでたくさんの部分を汎用化するんですが(笑)。 NDA basedでもとりあえずお声をおかけください。 相談しましょ。 ciscoとおしゃべりしろとか、ケーブルを張れとか、インストールしろとか、 文章書けとかFreeBSDのほげほげとかも喜々として請け負います。
御意見御感想などは適宜mail等でどうぞ。 よろしくねん。
BGM: Soul Flower Mononoke Summit「がんばろう」
League for programming freedomの ページが詳しかったのですが、なんか先日からドメイン名の登録が 外れています。 ドメイン名管理費払ってないんだろうか。
ちょっとずれますが トンデモ特許のページ。