10Base-T/CDDIケーブルのつくりかた 95/11/15 itojun 用意するもの - カテゴリ5 4twisted pairsのケーブル(欲しい長さに切っておく) - モジュラペンチ - 8極モジュラジャック(RJ45)のさきっぽx2 結線 まず、あなたの持ってるケーブルのなかには4組のケーブル対がある。 まともに使えるケーブルを作るためには、ケーブル対を適切に選んで 配線する必要がある。 ケーブル対の撚り方は、 1-2 3-6 4-5 7-8 がペアになるようになっている必要がある。 また、両端でのつなぎ方がケーブルごとに異なるので注意が必要である。 - そのまま繋げばよいもの 10Base-Tのストレート CDDIのマシンからパッチパネル - 両端で1-2と3-6を入れ換える 10Base-Tのクロス - 両端で1-2と7-8を入れ換える CDDIのパッチパネルからコンセントレータ CDDIのマシンからコンセントレータ 10Base-Tでは「A-A' pair」と「B-B' pair」を使う。 CDDIでは「A-A' pair」と「D-D' pair」を使っている。 だから、2twisted pairsのケーブルを使ってもいちおう継ることは 継る。床下が狭いとか、通りにくい箇所があるときにはいいが、 それ以外のときには圧着しにくいし転用も効かないのであまり勧めない。 10Base-Tのストレートはかなり素直だが、CDDIは注意が必要である。 CDDIは、マシンからコンセントレータの間で1-2と7-8がひっくりかえって くれればよいわけである。 つまり、 マシン --そのまま-- パッチパネル --ねじれ-- コンセントレータ マシン --ねじれ-- コンセントレータ ならいいわけである。 パッチパネルとマシンの間をねじらないのは、マシンからパッチパネルの ケーブルを10Base-Tに使えるようにするためである。すなわち、 マシン --そのまま-- パッチパネル --そのまま-- Hub というときに床下配線を変えなくていいように、である。 撚りのペアを作り間違えると、あとで使うときに そもそもcarrierがこない パケットが投げられない パケットは投げられるけどエラーレートがとんでもなく高い などの症状がでるので細心の注意を払う。 また、結線が悪いとあかんのはもちろんである。 10Base-Tのストレート/CDDIのマシンからパッチパネル 両側以下のようにするとうまくいく。 ここで、AとA'の組がtwisted pairである。 通常のケーブルでは、Aが「白地にある色のストライプ入りケーブル」、 A'が「ある色のケーブル」である。 色は A 白地にオレンジ A' オレンジ B 白地に緑 B' 緑 C 白地に青 C' 青 D 白地に茶 D' 茶 が推奨されているようであるが(EIA/TIA T568B)、自分で使う1本だけの ケーブルを作るぶんには色は気にしなくて問題ない。パッチパネルを 配線するときは注意が必要である。 なぜかしらないが、C-C' pairだけ逆順になっているので注意。 A A' B C' C B' D D' | | | | | | | | \ \ \ | | / / / \ \ \ | | / / / \ \ | | | | / / | | | | | | | | +====================+ | | | | 10Base-Tのクロス A-A'とB-B'がひっくりかえっている。 片側 A A' B C' C B' D D' | | | | | | | | \ \ \ | | / / / \ \ \ | | / / / \ \ | | | | / / | | | | | | | | +====================+ | | | | もう片側 B B' A C' C A' D D' | | | | | | | | \ \ \ | | / / / \ \ \ | | / / / \ \ | | | | / / | | | | | | | | +====================+ | | | | CDDIのパッチパネルからコンセントレータ/CDDIのマシンからコンセントレータ A-A'とD-D'がひっくりかえっている。 片側 A A' B C' C B' D D' | | | | | | | | \ \ \ | | / / / \ \ \ | | / / / \ \ | | | | / / | | | | | | | | +====================+ | | | | もう片側 D D' B C' C B' A A' | | | | | | | | \ \ \ | | / / / \ \ \ | | / / / \ \ | | | | / / | | | | | | | | +====================+ | | | | 基本的な手順 - ケーブルのはじっこの外被(一番外側の緑色のぶあついの)を モジュラペンチの「STRIP」というところを使って切り、ひっこぬく。 あまりきつく切ると中側の外被まで剥けてケーブルがショートするので 注意する。別にほかの工具(かみそり/ペンチ/ワイヤストリッパ)で 剥いてもかまわない。 中側の外被は剥く必要がない。 - ケーブルが丸い断面をしている場合、中のケーブルがたいらになるように ケーブルをそろえる。 | | | | | | | | \ \ \ | | / / / \ \ \ | | / / / \ \ | | | | / / | | | | | | | | +====================+ | | | | - モジュラジャックのさきっぽを、 ケーブルを入れる穴を下 爪が向こう側 になるように持つ。こうすると8つの電極が上端にこちらを向いて 並んでいるはずである。 前から見ると 右横から見ると +||||||||+ +---+ | | || |\ | | 体側 | | \ | | | | | | | | | | | | +========+ +===+ - そろえたケーブルを穴からつっこむ。 モジュラジャックのさきっぽを横から見て、電極の奥の奥(つまり上図に おいてはモジュラジャックのさきっぽのいちばんてっぺん)まで届くか どうかみる。かなり硬いのでえいやと押し込む。 もし届かなかったら、モジュラペンチの側面にあるカッター (「STRIP」の文字の右上)などで、8本の芯の長さを整えるなどの 処理を施す。 きちんと届かせないと接触不良で信号が通らなくて泣くハメに なるので注意。 - モジュラペンチの上からモジュラジャックのさきっぽをつっこみ、 ゆっくり力いっぱい握るとケーブルが圧着される。 モジュラペンチにはラチェットがついてるので、握ってから開けるときは ラチェットを解除してあげないといけない。 反対側の端子についてもおなじことを繰り返す。ケーブルの色をよく見て 確認すること。 テスタがあれば一応接触不良がないか確認する。 なければいきなり試す。パケットが通れば成功(おいおい)。 ダメだったらモジュラジャックのさきっぽを切り捨ててもう一度挑戦する。 一度圧着に挑戦したさきっぽは「二度と使えない」ので捨てること。